バーニング・レイン来日公演リポート!!
All Pictures:OSAMU“TIO”SUZUKI / Supported By PONY CANYON INC.
LtoR: Ian Mayo(B) Chris Frazier(Dr) Keith St.John(Vo) Doug Aldrich(G) James Fuchs(Key) |
Set List
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ダグ・アルドリッチ率いるBurning Rainの初来日公演は“ロック・バンドの真髄はライブ・パフォーマンスにある”ということをまざまざと見せつけてくれるもので、うねるようなハード・ロック・サウンドに圧倒された。なんと言ってもフロント・マンであるキース・セント・ジョンは凄いヴォーカリストだ!! ソウルフルで伸びやかな声、派手なステージ・アクションとロック・ヴォーカリストとしての抜群の存在感があった。もちろん、ダグ・アルドリッチをはじめ他のメンバー達も生き生きとしていた…
ライブはデビュー・アルバム同様、Burning Rainを代表するナンバーとして語り継がれるであろう「Smooth Locomotion」でスタート。ダグ・アルドリッチもさすがにギター・ヒーローと呼ばれるにふさわしいテクニカルでエモーショナルで素晴らしいギター・プレイを披露。
イアン・メイヨー(B)とアレックス・マカロヴィッチの怪我のため急遽サポート・メンバーとして参加したクリス・フレイツァー(Dr)のリズムも実にタイトで、続く「Superstar Train」、「Cherry Grove」もアルバムで聴く以上にグルーブ感が増していた。キーボードのジェイムスの参加も音に厚みを出すのに貢献していた思う。
そして、なんと言ってもキースのヴォーカルだ。例えるなら“ポール・ロジャース、デヴィッド・カヴァーデイルの声の張りとロバート・プラントのセクシーさをもったヴォーカリスト”と呼びたい。容姿がまさに全盛期のロバートそっくりで、70年代的なファッションも好感がもてた。
ライブ中盤、ダグ・アルドリッチの速弾きをフューチャーしたギターソロ・タイムの後に演奏された「Tokio Rising」では日本のファンに捧げられた曲ということもあり、観客との掛け合いが大いに盛り上がり、クリスのドラム・ソロの後、待ってましたと、Bad Moon Risingの名曲「Full Moon Fever」が始まる。
これにはファンも大喜び。カル・スワンでなくこのキースの声で聴けたのも実に新鮮で、サビでは“Full Moon Fever〜”と思わず口ずさんでしまった。この曲だけは今後もやっては欲しい。もしかしたら昔からのファンはLion、Bad Moon Rising時代の曲をもっと期待していたかもしれない。それをやらなかったのは、“カルなしではLionもBad Moon Risingもあり得ない”というダグの優しさからだろう。過去にしがみ着かない彼の目は未来に向いていると思った。
特に個人的に感動したのは、アルバムでもいい味を出していたメロディアスな「Making My Heart Beat」と「Can't Turn Your Back On Love」の両バラード・ナンバーだ。特に「Can't Turn Your〜」は静かなパートから徐々に盛り上がり、キースの感情たっぷりな歌声とダグの心を揺さぶるギター・ソロが絡み合って鳥肌がたった。
ライブ本編は「Fool No More」で幕を閉じたが、その後ファン・イベントがあり、「Still Of The Night(WHITESNAKE)」、「Kashmir(LED ZEPPELIN)」、「Smoke On The Water(DEEP PURPLE)」のカバーが披露されたことも付け加えておきたい。
確かに客の入りは悪かったが、それを吹き飛ばすほど、このBurning Rainのライブは“ハード・ロックのかっこよさ”を凝縮していた。ダグ・アルドリッチは本当に良いヴォーカリストと出会ったものだ。キースの存在がダグの念願であるワールド・ワイドでの活動を約束しているような気がする。Burning Rainの未来は明るい!! そんな思いを抱かせる爽快な満足感が残ったライブだった。今後も彼らの活躍を応援していきたい!! .. Yosuke Takahashi
Burning Rain'S Fan Event at CLUB CITTA' KAWASAKI
ライブ本編の後、レコード会社主催のファン・イベントが行われた。司会者のテンションが異常に高かったが(笑)、メンバーへの質疑応答、プレゼント大会等、バンド・メンバーと共にファンも楽しんでいた!! なかなか良い企画だったのでは?? 最後に演奏されたカバー曲「Still Of The Night(WHITESNAKE)」、「Kashmir(LED ZEPPELIN)」、そして「Smoke On The Water(DEEP PURPLE)」は絶品でした。
Album Review:Burning Rain
惜しくも解散したBad Moon Risingのギタリスト、ダグ・アルドリッチ率いるBurning Rainのデビュー・アルバム!! ダグが本当に演りたかったことを実践した音に仕上がった。ヴォーカルのキース・セント・ジョンのソウルフルな歌、Bad Moon Risingでも活躍したイアン・メイヨー(B)とアレックス・マカロヴィッチ(Dr)の強靱なリズムが一体となり、メロディアスな楽曲をより際だたせている。
「Smooth Locomotion」での躍動感はどうだ!! FOREIGNER風の「Making My Heart Beat」は名曲。どの曲も完成度が高く、LED ZEPPELIN,BAD COMPANYが現代に蘇った気持ちにさせてくれる。キース・セント・ジョンは今後、HM/HRを背負うヴォーカリストになる!! バラード「Can't Turn Your Back On Love」が心を熱くしてくれる。ダグ・アルドリッチも、もちろんギターを弾きまくっている。“今度こそ”の想いが募る、会心のデビュー・アルバム!! 素晴らしい!!
Album Review:Pleasure To Burn
Lion、Bad Moon Risingの影はもはやダグ・アルドリッチにはつきまとわない!! Burning Rainの第2弾アルバムは、デビュー作を上回る仕上がり。デビュー作も「Smooth Locmotion」、「Making My Heartbeat」、そして「Can't Turn Your Back」等、楽曲の充実度は高かった。
しかし、ここに届けられた「PLEASURE TO BURN」はバンドとしての一体感がさらに増し、ハードなドライヴィング・ナンバーと情感豊かなバラード・ナンバーが上手くミックスされた素晴らしいハード・ロック・アルバムなのだ。これはお世辞でもなんでもなく、これだけ純粋なハード・ロック・アルバムを近年、耳にすることは少なくなった。“かっこいいハード・ロックを聴いたい!!!!” そんな欲求を満たしてくれる。
名曲との呼び声高い「Cherie Don't Break My Heart」を聴いて欲しい。WHITESNAKE、FOREIGNER直系のパワー・バラードは実に味わい深い。この曲でのダグ・アルヂリッチのギター・ソロを聴いて、改めて彼の才能を実感する。これだけ実力のあるミュージシャンがなかなか評価されないのは悲しむべきことだろう。
キース・セント・ジョンもヴォーカリストとして、確かな存在感を感じさせる。オープニングの「Fireball」のようなアグレッシブさと、「Faithfully Yours」での感情表現と、個人的なHM/HRシーンを背負ってたつヴォーカリストという評価は間違いではないと思う。ダグの盟友、イアン・メイヨーとアレックス・マカロヴィッチによるパワフルなリズム隊も聴く者を引きつけるだろう。確かにダグには不運がつきまとって来たが、ここにはLionでもBad Moon Risingでもない新鮮な空気がある。声を大にして言いたい!! 「Pleasure To Burn」はBurning Rainの未来を明るく照らす傑作アルバムだ!! .. Yosuke Takahashi
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